Resonance
■ 作品要旨
本作は、「そこ」に存在する様々な「境界線の響き合い」を解釈・表現する、サイトスペシフィックなサウンド・インスタレーションである。AR技術、WEBアプリによる参加型システム、物理パネル、フィールドレコーディング楽曲という複数のメディアを往来し、ある土地や音をめぐる「関係性」を可聴化する手法を提案した。
■ 日常の再構築
効率化の中で失われた偶然性や不確実性といった非言語的な豊かさ、すなわち「ときめき」をアートを通じて再発見する試みである。現実世界の断片を作品へと持ち込む。作家の視点に触れた鑑賞者が自らの日常を見つめ直し、他者との対話や共感を生む「コミュニケーションの連鎖」を創出することで、アートと日常の境界を脱構築し、鑑賞者を日常の再構築を担う主体へと変容させる。
■ メディアとエモーション
デジタルデータとして永続する「残るもの(情報)」に対し、あえて「消えるもの(現象)」としての不可逆性と、 「朽ちるもの(物質)」としての手触りを回復させる。デジタルサウンドスケープに一度聴くと消滅する設計を施し、音(現象)が本来持っていた「二度と戻らない一回性」を回復させることで、現代におけるノスタルジーの新たな在り方を問う。
■ Sasebo Sound Chronicle Award|ファイナリスト選出・受賞 審査員評
- Kuniyuki氏:
「極めてコンセプチュアル。音の断片の組み立てにストーリー性があり、強いインパクトがある。」 - 蓮沼執太氏:
「環境音だけで編まれた音楽。その高い構成力に驚いた。歴史に対する視点と響きの広がりがシンクロしており、鐘のモティーフの扱いも見事。」
■ 技術スタック(Technical Stack)
- DAW:Logic Pro(環境音の解体・楽曲制作・立体音響編集)
- Design:Adobe Photoshop / Illustrator(展示パネル・UIデザイン・ビジュアル構築)
- System:WebAR、独自バックエンド(音声自動削除システム)